グラミー賞5話。

えっ?ミノルの知り合いなのか?

う、うん。ビビアンのお客さん・・・。
よくは、知らないけど、なんとかっていう組の若頭だよ・・・。
たし・・か。さく・・まざわ?
まわりから、サックリさん、そう!サックリさんって呼ばれてた。

サックリだろうが、ポックリだろうが、この際関係ない。ヤバい人だって事は、しっかり把握できた。
落ち着こう。まずは、冷静に順番を考えよう。

とりあえず、苦しんでる初音を医者にみせる。
家まで送る。
ビビアンのママに事情を話す。遺体を山に埋める。車ごと燃やす?

最後の方は後で練り直す事にして、その段取りでいこう。

俺は勝手に自分の中でそう決めて運転席に戻った。
ルームミラーで観る限り初音もかなり限界にきていた。

コン、コン。
ガラスを叩く音と同時に懐中電灯で顔を照らされた。

ちょっといいかなぁ?
長身の警察官が車の中をのぞき込んできた。
何もかもおわりです・・。
降参しようとした、その時。

病院!この辺に病院はありませんか?
慎重に生活してたのにぃ!まだ生まれる筈ないのに、出血してるんですぅ!!!
助けてぐだざいっ!
病院を教えてぐだざい!
涙どころか、鼻水、よだれまで流して、車の内側から、ミノルがガラスを叩き返した。
警察官は、意を決したように、いや、こんなチャンスを待ってたかのように、大きくうなずいた。懐中電灯をもとの位置に戻し、俺について来いとばかりに、ペダルをこぎだした。
慌てて、おれは警察官の後ろについていった。

ミノルが、俳優になるのを夢見て上京してきたの知っていたが、正直びっくりした。
グラミー賞総ナメできそうな演技力だった。
しばらく走った。
どんな権限があるのか、通過する信号を全て無視して。

キキーッ。
前を走っていた、警察官がコッチに駆け寄ってきた。
そこの信号を曲がれば、市立病院があるから!
急いで運んであげるといいっ!!

どうやら、この警官。かなり自分のした事に酔ってる・・・。
待てよ。実際この警官のお陰でたすかったよなぁ・・・。
この先覚えとくつもりもないが、名前を尋ねた。名乗る程のものでも、なんて前置きもなく。

コサイです!
まだ、この街に配属されて長くはないですが、困った人を見るとつい;#&#!$*!

このままコイツの話を聞いていたら、初音が死んでしまう。そう判断し、固い握手で話をとめた。
急いで車から初音を降ろし、三人で、夜間受付の窓口に駆け寄った。
意地悪そうな男が、ガラスを開けた。
病院でする説明など、全く考えていなかったが、演技力抜群のミノルがいれば恐いものなど、なんにもない!

どうされました?

相手の言葉に間髪いれず、ミノルは答えた。
つづく。

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  1. ナイスっ!!
    間髪いれず・・・・。どうなる?!

  2. ぶはは~(´∀`)ノノハハハ   主役の登場ですね! 

    こんなマッチョで、やさしいダンディーコップはクリントイーストウッドか、それか、あの、俺、、しか居ないっすよね。いや~ナイスコップ!! 

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