置き手紙。1話

さようなら、我慢の限界、今までありがとうございました。スーパーのチラシの裏に書いた手紙を見つけたのは、日付も変わった午前2時過ぎだった。オレは、また、いつもの事だと気にもせず、買ってきた牛丼をビールで流し込んでいた。大体この時間に帰ってきて、買ってきたメシを2人で食べ、かるく1日あった事を話して寝てしまう事が多い。当たり前だった事が突然なくなると案外寂しいものだ。この時間じゃ実家に電話する事も出来ないし、近所を探すのには時間が経ちすぎている。
まっ、明日になれば、きっと横で寝てんだろう・・・。そんな事を考えながらウトウトしていた。

チリリリリィーン!チリリリリィーン!凄い音が部屋中をかけ巡った。寝ぼけていたからかもしれない。それはそれはデカい音に聞こえた。
きっと行くトコがなくて迎えにでも来いって電話だなっ。オレはちょっと意地悪してやろうと受話器をとってから、しばらく黙ってた。 淳ちゃん・・・。やっぱりアイツだ。なんだか涙声にも聞こえた。帰ってこいよ。そう言いかけた時オレの言葉はかき消された。
淳ちゃんっ!殺しちゃった。動かないよっ!動かないっ!叫んでいるのと、後ろで鳴ってる音楽で聞き取れなかったが、明らかに”コロシタ”と言っている。兎に角落ち着いて喋ろうと、ゆっくりゆっくり声を出した。
ミノル、今何処にいる?・・・。そう、始めに話すべきだったが、オレは、両刀使いのホモで、家を出ていったのは、半年前から一緒に暮らしているミノル、中町ミノルだ。そして、殺した相手というのが、今回の家出の原因になったキャバ嬢の初音だ。
とにかく、居場所を聞き出さなきゃ。俺は冷静にそして優しく言った。
何とかしてやるから、大丈夫だから、今ドコだ?・・・。長い沈黙をやぶりミノルは、居場所をつぶやいた。北区のビビアン・・・。オレは、鍵も閉めずに家を飛び出し、シビックに乗り込んだ。ビビアンというのは、店の名前で、ミノルとオレが出逢った店でもある。おそらく、そこに呼び出して口論にでもなって刺してしまったんだろう。いつもは、全く感じないが、10分の道のりがやけに長く感じた。行って何をする?逃げる?頭の中はグルグルで、明日のスポーツ新聞の見出しまで出てくる。同性愛者の会社員を巡る三角関係!売れっ子キャバ嬢刺される。ヤバイ、ヤバイヤバイッ!信号が変わるのと同時にアクセルを践んだ。ギイィッ!前輪から、凄い音がした、急ブレーキを践んで外に出るとバンパーの下から髪の毛が覗いていた。今自分が何をしようとしてたのか、何がどうなってんのかサッパリわからなくなった。
つづく。

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  1. おぉ~~~。。。

  2. These are devine! I bought the new book out with 900 recipes for color and can;8#217&t wait ubtil Relay for life is over so I can concentrate on dyeing some new colors.

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